相談例.5
*相談例は、実際の事例ではなく、複数の事例を共通な点でつなぎ一般化して作成したものです。
相談者
母(52:主婦)
本人

高校2年生 男性(17)

家族構成

父(52:技術職) 姉(24:別居) 兄(19:) 弟(本人:17・高2) 祖父(80) 祖母(73)
6人暮し 母方伯父(54:近所に住む)

経緯(これまでの流れ)

小6から塾へ、部活;バスケット
6年から反抗的行動はあった(学校ではおとなしい)
何かと理由をつけて学校を休む(舌打ちをする)
中1の2学期末から不登校・ひきこもり(いじめ?)
祭りに行くし、友達とは会話が出き、遊びに行くのに、家族と話をしない→家族の中で会話がなくなる
家族と会うと、物を傷める、暴力もあった(先回りして用意すると、壊す)
去年の正月(1年前)台所に出てきて、物を投げる
3月に物を壊すので、父が抑えると、包丁を持ち出すが、伯父が回収する

気になること(性格特性)

気分を持ち直すのが苦手、
時間ギリギリでないと動き出さない→行事に遅刻する
自信がないと出来ない、繰り返し聞く、新しいことは苦手、読書感想文が苦手
遅刻すると、違う道を自分で行く、一回すると諦める

「一生分頑張ったから、不登校で全部捨てた」という
中3時に、伯父が強く問いただし「家族に不満」という→伯父とはラインしていた、母ともメールしていた

環境(家族との関係)

祖父は「この子を怒るなよ」と言い→なんでも出来る、穏やかな人
祖母は「行かなきゃ、寂しいやろうから」→気をもんでばかりの人
父は関わらず、「行けよ」という→決断をしない、何を考えているのかわからない人
母は、高校時代話しをしない時期・相手があり、反抗的態度を気にしていなかった

今の一日(日頃)の様子

自分の部屋の物に触るな
食事は台所で済ますが、弁当は部屋に持ち入る
部屋に声を掛けると、扉をドンドンと叩く

今一番困っていること

意思が通じない

この相談へのご提案
大枠での考え方
  • お母さんが相談してくださった勇気に感謝します。
  • 不登校まで、その後も、ご本人はすごく頑張ったと思います。
  • 先ずは、家庭内でゆっくりさせてあげて下さい(少しぐらいの我儘も)。
  • 今後、通信制高校への転校、独学で高校卒業程度認定試験を受けて、専門学校・大学へ進学等の、他の進路もあります。
  • ・お母さんが、他のご家族に甘える、助けて貰うことをしてみませんか。
ご家族(接し方)への提案
  • ご家族各々が、ご本人に一言の挨拶(声掛け)をお願いします。
  • お母さんとご本人とのメールの活用を工夫してみましょう。
  • ご本人が安心して過ごせる雰囲気を大切にして下さい。
  • ご本人の存在を認めてあげる目線で、見守ってあげて下さい。
    ご本人が今から何をしたいかよりも、先ず、今の、今までの気持ちを受け止め、大切にしてあげて下さい。
相談・支援先とその内容
  • お母さんの心の整理、ご本人の気持ちの理解と対応、不登校の解決と新しい生き方について、長期に通える相談先をお勧めします。
  • 高校のスクールカウンセラーに相談されたらいかがでしょうか?(ご本人が行けなくても、お母さんだけでも可能)
  • 三好保健所にて、不登校・ひきこもりに関する相談を受けられます。
  • 思春期の心の問題専門の「思春期外来」でも、相談が受けられます。(徳島大学病院・日本赤十字病院・睦ホスピタル他)
ご本人への提案
  • 伯父さんといろんな話をする時間を作りませんか?
  • これまで独りで頑張りすぎてきたので、1年程は自宅で、ゆっくりと過ごすことでよいと思います。
  • 周りのことへの配慮も出来、頑張りの力も持っていらっしゃるので、少しくらいは家族に甘えながら、「生きる力」を蓄えてください。
*相談例は、実際の事例ではなく、複数の事例を共通な点でつなぎ一般化して作成したものです。